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オートロックと防犯事情

住まいと暮らし
2020.6.12

オートロックだからって安心?油断大敵なマンションの防犯

集合住宅などに多い「オートロック」は、分譲物件や賃貸物件を問わず人気を集める設備のひとつです。その最大の理由として挙げられるのは高い防犯性能。オートロックが選ばれ続けている理由やオートロックの防犯性について考えてみたいと思います。

オートロックの特徴

オートロックが人気である理由として挙げられる防犯性能。このオートロック付の物件が選ばれやすい理由はどのような点にあるのでしょうか。まずはオートロックの特徴を見てみましょう。
※ここでいう「オートロック」とは、主に集合住宅などの共用玄関についている設備のことです。

オートロックの防犯性

オートロックか否かの違いは、共用玄関の鍵を持っているのが居住者(または管理会社)だけということです。各家庭の玄関には、居住者の許諾がなければ、建物内に進むことはできません。ましてや、居住者と関係のない人や不審人物は、共用玄関のオートロックに阻まれることになり、望まれない来訪者を敷地内に入れにくくする、建物に近づけにくくさせるという点で防犯性の向上が期待できます。

オートロックの共用玄関部には、施錠された扉、つまり自動ドアなどが設置されていることが多く、入館が制限されていることが通例。入館する際は、ロックを解除(解錠)する必要があり、キー(鍵)や暗証番号、非接触カードなどの認証・施解錠方式が採用されています。
共用玄関と居室内を結ぶインターホンシステムと連動しているケースも多く、入居者などは、来訪者とドアの外側に設置されたインターホン装置を利用して、会話やドアの解錠操作を行うことができます。なお、共用玄関に設置されたこのインターホン装置を「集合玄関機」と呼び、キーや暗証番号などの認証機能を備え、自動ドアなどの制御を一部担っている場合もあります。

犯罪の抑止効果に期待できる

防犯性能としては、共用玄関部に設置されたドア・ゲートによる、居住エリア等との境界線が明確に示されているという点、またこれより先の侵入経路を遮断することにあります。侵入者への心理的・視覚的な効果として、犯罪の抑止効果も期待され、マンションなどの集合住宅においては、各居室の玄関ドアと併せて二重の防壁が存在することになります。
また、上で述べた居室内を結ぶインターホン装置には、カメラ機能がついているものも多く、玄関ドアを開けて対面する前に訪問者を確認できるため、安全性や安心感が高まります。

オートロック物件でも注意しなければならないこと

そんな「オートロック」ですが、注意しなければならないこともあります。その高い安心感がもたらしてしまう可能性があることをいくつかの事例を交えてみていきたいと思います。

居住者に続く不審者に注意

多いのが、不審者が他の居住者に続いて入るケース。「共連れ」ともいわれます。入居者であっても、鍵を持たないお子さんや、鍵を忘れて不注意でオートロックを出てしまうこともあります。このような場合に、鍵を持つ人や、暗証番号で入る人に続いて一緒に入るということは、決してめずらしいことでもありません。

カギのかけ忘れによる空き巣に注意

空き巣に入られた物件に多く見られるケースとして、「無施錠(鍵のかけ忘れ)」があるとされています。「ちょっと朝、ゴミを出しに行った間に」「ちょっとそこまで家族を見送りに出ていたら」など、驚くべきことに、これらはその「ちょっと」=ほんの数分の出来事であったとされることが多いのです。

たとえオートロックでも1人1人の防犯意識が大切

このように、安心感はまた防犯意識の低下を生むリスクもはらんでいます。防犯は大切な生命や財産を守ることにもつながります。一人一人が気を付ける意識もまた、立派な「防犯対策」となることも是非忘れないでいただきたいと思います。

いかがでしたでしょうか。
今回は「オートロック」を切り口に防犯を見てきました。たしかに、オートロック(カメラ付きインターホンとも)は、長年にわたって、賃貸住宅・マンション入居者の人気設備であり、物件価値の向上にもつながる可能性もあるとされています。これに限ったことではありませんが、新規導入や交換・リプレースを検討の際は、そのメリットやデメリットを正しくおさえることができるよう、信頼できるプロに相談されることをおすすめします。
※「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。